ザプレイズを始めたきっかけ
ザプレイズの活動をしていること…
自分でもとても不思議です。
私はリハビリテーションを担当する作業療法士として、重い病気や障がいの方たちとお出会いする機会を多く与えられました。
病気になり体が不自由になった時、
また死を意識するとき、
人間ってほんとうに孤独で弱い存在だとしみじみ思わされました。
また病気ではなくても、
競争社会の子育て
健康や経済の不安
親の介護など
私たちが生きている限り悩みも問題も尽きません。
それは大人だけではなく子どもや若者も
同じだと感じます。
学校や社会が決めた枠組みや価値観の中で
力が発揮できずに
逃げ場もなく
孤独だったり
希望が持てなくなって
悩んでいる方たちも
多いのではないでしょうか?
そんな誰の心にもひそんでいる
不安や負い目から解放し(救い)
平安を下さる「神さまの愛」を
分かち合っていければ…と思ったのです。
私には力も才能もありません。
年齢もいっています。
でも歌と詩画を通して
伝えていけないかな…
という思いがいつしか自然と生まれ、
ザプレイズの活動が始まりました。
歌を作り始める
歌を作り始めるきっかけは
音楽療法♪でした。
私はたくさんあるリハビリの機能訓練の一つとして、
音楽療法を取り入れていました。
音楽療法はすべての疾患の方たちに
とても効果のあるリハビリ訓練の一つです。
脳梗塞や認知症の高齢の方たちから、
脳性麻痺や自閉症などの若者たちまで
身体、心、言葉、社会生活の機能訓練として
楽しくできてとても効果がありました。
たとえば、脳梗塞の後遺症に
失語症という症状があります。
言葉が話せなくなる症状です。
でも、幼い頃によく歌った童謡などは、
歌うことができたりします。
また重度の脳性麻痺では、
一つの筋肉を動かすと
全身の筋肉も動いてしまいますが、
ハンドベルなどを使って
片方の手だけを動かす訓練などが
楽しくできました。
最初の歌「お母さん、ありがとう」
ある時、
重度障がいの若者たちの通所施設で
彼らのお母さんたちのために
「お母さん、ありがとう 母の日音楽会」
をすることを思い立ちました。
日常生活に多くの介護が必要な
若者たちです。
お世話をされるお母さんたちのご苦労を
いつも思っていました。
言葉が話せない若者たちも多くいました。
彼らのお母さんへの感謝の思いを
歌でプレゼントしたいと思ったのです。
そして母の日の音楽会のために
「お母さん、ありがとう」
という歌を作詞作曲しました。
若者たちの思いを代弁して作ったものです。
何か月もかかって、
支援員の皆さんのご協力を得て
みんなで一生懸命練習しました。
そして「お母さんありがとう~母の日音楽会」
が実現しました。
歌を作るなんて、
思いもしなかった私が
歌を作り始めるきっかけとなりました。
作曲の小原さんとの出会い
兵庫芸術文化センター中ホールで
視力障害の若いソプラノ歌手の
独唱コンサートがありました。
そのピアノ伴奏をされていたのが
小原寿美子さんでした。
客席が扇状の階段になっていて、
舞台は中央一番下、
とてもお洒落なホールです。
照明に浮き上がった舞台を見下ろしながら
私はピアノ伴奏者に
とても心を動かされました。
ピアノ伴奏もですが、
視力障害の歌手の方に
さりげなく気を配る様子や
シンプルな黒の衣装で
伴奏者に徹する様子に心惹かれました。
プログラムの経歴を見ると、
「大阪音楽大学作曲科卒業」
と書かれていました。
コンサートの後、
思い切って小原さんにお声をかけました。
数か月してから、
小原さんがはるばる神戸から
我が家を訪ねて下さいました。
それからまたしばらくして
二人のコンビでの曲作りが始まりました。
私の詩に曲をつける、
曲の合唱曲用の楽譜を書く、
コンサートでのピアノ伴奏、
歌の指導や詩の朗読の伴奏などなど…
「この曲、来るときに車の中で出来た!」
家に着くなり、
五線紙に楽譜を書き出されることも
ありました。
思いもかけない出会いが与えられ、
思いもかけない展開が始まって…
神さまの導きと心から感謝しています。
ザプレイズのあゆみとこれから
最初の頃は自宅で録音をした歌をホームページやYouTubeに
アップしていました。
でもそのうちに
プロ歌手に良い録音で歌ってもらいたいと
思うようになりました。
福音歌手 森祐理さんに
歌手の隼(jun)さんに
を依頼しました。
編曲家譜久村明子さんがバック音楽を作ってと…
森祐理さん、隼(JUN )さん、それぞれ一年ほどの日数がかかりました。
岡村恭子さん(歌手)と小原寿美子さん(ピアノ伴奏)のコンビで
スタジオ録音もしました。
岡村恭子さんは、ザプレイズの最初の年に
コンサートで歌ってくれました。
結婚、出産でしばらく間が空きましたが、また一緒に活動できることは、
神さまの大きな恵みと本当に感謝しています。
私たちの人生にはいろんなことが起こります。
理不尽なことばかりといいたくなる現実があります。
でも、いつでも、どんな状況の中でも
「神さまの愛」は決して変わることはありません。
毎日の暮らしの中で
その「神さまの愛」に気づいて
自分の言葉で表現し伝えていきたいと
願っています。